米国の職業性ストレスに対する取り組みについて
最近の米国の調査では、下記の事が明らかにされています。
1)勤労者の1/4が、仕事が人生の一番のストレスであると考えている。
2)勤労者の3/4が仕事と関連したストレスを親の世代よりも強いと感じている。
3)仕事上の問題は、他のストレス因子より強く健康上の訴えと関連している、それは経済的問題や家庭の問題をさえ上回る。
こうした状況のなかで米国の職業性ストレスに対する取り組みについてご紹介いたします。
米国では、国立労働安全研究所(National Institute for Occupational Safety and Health: NIOSH)が職業性ストレスに対する取り組みを推進しています。
NIOSHは、有名な疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)の1組織です。
NIOSHが提案する職業性ストレスに対する対処法を簡単にまとめました。
仕事のストレス要因
過剰な仕事量の負荷、休憩時間の少なさ、長時間労働。交代勤務、非常に忙しい業務であるがあまり意味のない仕事、勤労者の技術が生かされていない、コントロールできないと感じている。ことなどが重要なストレス要因であるとNIOSHは考えています。これは日本の職業性ストレスチェックシステムでは仕事のストレス要因として質問項目に組み入れられています。
対処方法について
米国の大企業のおよそ半数は従業員のストレスマネージメントに対する専門的ケア(EAP)を提供しています。NIOSHはこの方法を推奨していますが、同時にこのケアの弱点として、EAPはあくまで従業員のストレス対処法に焦点をあてているため労働環境の改善の提案が無視されることがあると指摘しています。
NIOSHは労働環境の改善に対し外部の専門家を招いてコンサルタントする方法も推奨されています。この方法は、過重労働の改善、上司の指示が矛盾するような状況の改善、ストレス要因を探し、それを排除する戦略について最も効果的な方法であると説明しています。
実際には、労働者に対するアプローチと労働環境に対すアプローチの両方が重要です。今回日本で導入された職業性ストレスチェックシステムは、この双方にアプローチするための効果的なツールと言えます。
米国の職業性ストレスに対する取り組みについてご紹介しています。