認知行動療法について簡単に解説しました
認知行動療法
精神科には様々なストレスを抱えた患者さんがお見えになります。ストレスはないに越したことはないのですが、実際には避けられないストレスもあります。また、ストレスに対する弱さが問題であることもしばしばあります。認知行動療法では、ストレスを受けた時、患者さんの心に自動的に浮かんでくる考え(自動思考とよびます)を患者さんと治療者が協力して調べていくことから治療がスタートします。
この絵は、Aさんが悩んでいる時、背中にへばりついているもう一人のAさんを描いたものです。もう一人のAさんは、これまでの人生で形成されたもので、Aさんの心を支配しています。認知行動療法では、まずこのもう一人のAさんを見つけ出すことから始まります。認知行動療法の特徴は、患者さん自身が自分自身を治療する部分が重要であることです。
実際の治療場面では、ワークシートを使い、1)ストレス状況 2)その時思い浮かんだこと 3)その時の気分 を自分で記入していきます。治療者との面接の中で、そう考えることによるメリットは、デメリットは、そう考える根拠は、そうでない可能性はどのくらいか、他の人はどう考えるだろうか。などとさらに記入して行きます。さらに、治療場面以外でもホームワークとして自宅でもこの作業をしてもらいます。認知行動療法の特徴はホームワークにより治療場面以外でも自己治療ができることです。