勤務間インターバル制度について
「勤務間インターバル」制度とは、1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設けることで、働く人の生活時間や睡眠時間を確保する仕組みです。「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」によって、勤務間インターバル制度を導入することが事業主の努力義務となりました(施行日:2019年4月1日)。勤務間インターバルを導入した場合、遅くまで残業した日には、その翌日の出勤日を遅らせることによって十分な、休養、睡眠がとれることが出来ます(下図)。
EUでは勤務間インターバルは11時間と定められていますが、日本では、まだまだ認知されていません。日本の労働時間は、他の先進国に比べて長く、また、睡眠時間も短いことが知られています。
経済開発協力機構(OECD)によると,日本は世界の 国々と比較して睡眠時間が短く(7時間41分)、先進国のなかで最も睡眠時間の長いフランス(約8時間48分)とは約1時間以上の差があります。労働者の睡眠時間と抑うつ状態の関係を調べた研究では、睡眠時間が短いと抑うつのスコアが高くなることが示されています。勤務間のインターバルを十分にとることで、必要な睡眠時間を確保することは、メンタルヘルスにとって重要なことです。また、プライベートな時間を十分にとることで、より充実した生活を送ることが出来ます。また、長期間労働とメンタルヘルスの関係を調べた研究では、長時間労働では抑うつ系得点が高く、メンタル不調を示す可能性が高いことが示唆されています。
勤務間インターバルの導入が労働時間とウェルビーングにどのような影響を与えるか研究されています。ウェルビーングとは、単に健康であるだけでなく、充実感や幸福度を含めたより好ましい心身の状態を指します。ウェルビーングは労働生産性の高さとも関連するため最近注目を集めています。
最近の研究では、勤務時間インターバル制度が十分に活用されていると、労働時間が短く、長時間労働者が少ない、睡眠時間が長く、エンゲージメント(ワークエンゲージメント、従業員エンゲージメント)がよいことが報告されています(下図)。 そして、ウェルビーングが向上すると、企業業績が向上する可能性があります。
(厚労省、働き方、休み方ポータルサイト)